理事長挨拶
文部科学省の認可を受けた私立学校は、学習指導要領のもと、公教育の一翼を担っています。公立の学校との違いは、私学には、それぞれの学校の創立者が掲げた目指すべき教育のあり方、育てたい人間像を示した「建学の精神」が存在する点です。
兵庫私学の各校は、それぞれの「建学の精神」のもと、その時々の要請に柔軟かつ的確に対応することで、常に先駆的な役割を果たしつつ、信念に基づく教育活動を展開してまいりました。
たとえば、探究型の「主体的・対話的で深い学び」も新指導要領に謳われる以前から取り入れていますし、「ギガスクール構想」などに伴う学校DX化にも積極的に取り組んでいます。さらには、「だれ一人取り残すことのない社会」の実現に向けたSDGsや多様性への理解を深める教育や、社会の一員としての自覚を持つための主権者教育など、従来の教科の枠では納まらない取り組みも充実しています。
また、各校の特色を活かした課外活動においても、生徒たちは学術、芸術、スポーツなど多彩な分野で活躍しています。そして卒業後も、各自の興味関心を極めたり得意を伸ばしたりできる道に進み、それぞれの社会で輝いています。
しかし、最近は少子化の影響で中学生・高校生人口が少ない上に、兵庫県では公立学校の門戸も広い状況ですので、私学は生徒の確保のため、一層各学校の特色を出し、県民をはじめとする多くの皆さまに選んでいただけるよう努力していかなければなりません。本来の存在意義である「建学の精神」を踏まえた上で、さらなる進化を図ることが大切だと考えます。
兵庫県私立中学高等学校連合会は、加盟している私学が抱える共通課題の解決に努めるとともに、長期的視野に立った将来構想の検討に鋭意取り組んで来ております。直近ではその一環として、県内の数ある私立大学との高大連携を進めていくための準備会を立ち上げました。これからも様々な取り組みを進めながら、国や兵庫県からの更なるご支援を得て、皆さまのご期待により一層確かなかたちで応えてまいる所存です。